Men's Bigen Quick Stick

パッケージを手掛けたのはビームス デザイン! で、なぜこのポップなデザイン?

SHARE

画期的な白髪ケアアイテム「MBQS」のパッケージデザインを担当したのは、ビームス デザイン。ファッションにおいても白髪ケアが大切だってことはわかるけれど、今回どうして彼らがパッケージを手掛けることになったのか。ポップなデザインの「MBQS」が完成するまでのストーリーを、キーマン4人に聞いてみた。

“白髪染めの印象を変えたい!”から始まったプロジェクト

「MBQS」のパッケージデザインの核となったのはこの4人。(左から)デザイナーの竹村 潤さん、山本綾子さん、竹中智博さん、そしてディレクターの入江和宏さんだ。

――「MBQS」のプロジェクトが始まったのはいつ頃ですか?

山本 依頼を受けたのは2019年の9月頃。今から1年ほど前のことですね。

――ビームス デザインが白髪ケアアイテムを手掛けるのは初だと思いますが、なぜプロジェクトを引き受けたのでしょうか?

「異なるジャンルとのコラボレーションに、ビームス デザインらしさを込めました」と入江さん。

入江 正直最初は、ビームス デザインが白髪染めを手掛けるというのは、イメージ的にもマッチしないと思ったんです。ただ「白髪染めへの印象をもっとポジティブなものに変えたい!」と、ホーユーさんから強い言葉を聞いたときに、僕たちとして面白いものができそうだな、と純粋に思えたんです。そもそもパッケージからすべてプロデュースできる機会も貴重ですし、チーム一丸となってやるべきだと感じました。

――そこから、どんなプロセスでデザインを練り上げていったのでしょう?

竹村 まずはアイテムの世界観を探るところから始めました。社内コンペを何度もやって……。

山本さんの案が「MBQS」のデザインに採用。

山本 そう、最初はプレゼンというより、ざっくばらんに意見を出し合うミーティングのような感じでしたね。そこから思いついたアイデアをスケッチして、徐々にイメージを膨らませていったんです。

竹中 製品自体の形状は決まっていたので、プロジェクトが始まってすぐの頃は、製品を入れる透明のブリスターパックに遊びを利かせたアイデアをたくさん出しました。立体にしてみたり、人型にしてみたり……どうやったら面白くできるだろうかなって、試行錯誤の繰り返しです。

これがブリスターパックのデザイン案。当初は思いつく限りのアイデアをイラストに起こしていった。

入江 あとからデザインの制限は出てくるだろうけど、まずは思いつくアイデアをとにかく出したいってことでね(笑)。思いっきりポップだったりクールだったりと、振り幅もうんと大きくして、そこから少しずつ的を絞っていくようにしました。

竹中 アイデアのリミット(限界)を決めないことが、僕らの間で暗黙のルールでした。

無数のアイデアから選ばれた、ポップな文房具風のデザイン案

最終的に絞り込まれた3テイストのデザインイメージ。

――たくさんの案から1つに絞り込むのは相当大変だったのでは?

山本 まずは、ポップ、クール、カラフルといったテイストごとにデザイン案を分けて、そこから方向性を定めていきました。

竹中 そして「A:黒っぽくて渋い感じ」「B:文具的なカラフルデザイン」「C:バーバーモチーフ」という3つに絞り込み、ホーユーさんとも話し合いを重ねて、最終的にはBの派生デザインであるこのパッケージに決定したという感じです。

――このデザインになった決め手は、何だったのでしょうか?

山本 そもそも大前提に、「白髪染めのイメージを崩したい」という目標があったので、ポップなパッケージは、白髪が持つイメージをもっとポジティブなものに変えられるんじゃないかということが決め手になりました。

デザインチームでは最年長(40代後半)の竹中さん。「MBQS」世代だけに、リアルな目線でアイデアを出すことができたという。

――鮮やかなブルーが印象的ですが、白髪ケアアイテムとしては意外ですよね。この色を選んだ理由は?

山本 実は、ブルーにしようという案は最初からありました。爽やかでポップな色ですし、男性も受け入れやすい。ただ、ひと言にブルーといっても発色はさまざまなので、「もう少し、ドラえもんぽい色がいいかな(笑)」なんて、みんなで意見を出しながら決めていきました。

竹中 最初は、蓋とボディで2トーンにするという案もありましたが、最終的にはシンプルに一色になったんですよ。

爽やかなブルーは、決して“白髪染め”を連想させない。

山本 結果、多くの人に愛着を持ってもらえそうな、いい色になったと思います。

ステッカー付きにしてカスタムできるアイデアも

ステッカーをたくさん貼り付けたような、ストリートマインドを感じる仕上がり。実は二つ折り設計で、開くと中面が説明書になっている。こんなところにもデザインチームのこだわりが詰まっている。

――シートのデザインも特徴的ですね。

山本 これに関しては、ストリートテイストなファッションを意識しています。ビームスの社員もよくパソコンにステッカーをペタペタ貼っているんですが、そんなイメージ!

入江 当初は、本物のステッカーを貼ったデザイン案も出たんです。さすがにそれは生産上難しくて断念しましたが(笑)。ほかにも、パッケージのなかにステッカーを何枚か入れておいて、自分でカスタムできるようにしたら面白いね、とか。アイデアはたくさんありましたね。

竹村 このデザインを決めるにあたっては、さまざまな年齢層の方が使うシーンも想像しました。例えば、カバンからさっと出したときに白髪ケアアイテムに見えないようにするとか。そういったところは、しっかりクリアできていると思っています。

「白髪ケアがポジティブな印象になれば、若い人でも取り入れやすくなるはず」と20代後半の竹村さん。

入江 ビームス デザインらしいビジュアルであることはすごく意識しました。もしもビームスのショップに「MBQS」がファッションアイテムと一緒に並んでいても格好良く見えるようにしたいと。その結果、サングラスや財布といった小物類と一緒に持っていても違和感のないデザインになったという自信があります。

竹村 僕らとしては、「MBQS」をアクセサリーや普段使いの男性化粧品のような感覚で捉えてほしいと思っています。そうなれば、白髪ケアに対するイメージがもっとポジティブなものに変わるはずだし、例えば「今日はしっかりケアして黒髪を見せる日」「明日はラフにケアしてちょっと白髪を残してもいい日」みたいに、ライフスタイルとして楽しめるようにもなるんじゃないかと感じています。

竹中 そう! 「MBQS」はいわば“白髪一年生”向けのアイテムなので、どんどんカジュアルに使ってもらいたいですね。

キーマンたちの開発秘話から見えてきた、 “ビームス デザインらしさ”へのこだわり。そこには彼らの「白髪ケアをポジティブに捉えてほしい」という思いが込められていた。そんな試行錯誤の末に完成させた「MBQS」は、パッケージにもぜひ注目を!

Text & Edit by 長谷川茂雄 / Photographs by 鈴木泰之、高橋絵理奈

RECOMMENDED